医療者にできることとは?『オンラインナイトセミナー「当事者とその家族の経験から学ぶ」』開催レポート

2021年11月17日に、埼玉県作業療法士会主催 オンラインナイトセミナー「当事者とその家族の経験から学ぶ」が開催されました。

今回、ナイトセミナーとして2回目のWEB上での開催となりました。他都道府県からもご参加頂き、当事者や事務局も含めて50名以上の参加人数となりました。講師として、胃がん患者会NPO法人希望の会理事長の轟浩美氏をお招きし、「患者家族の想いとこれからの⽀援について」の題材でご講義頂きました。轟氏の旦那様は、スキルス胃がんを患われた後、胃がん患者会であるNPO法人「希望の会」を設立し、初代理事長として講演会や冊子の作成などの啓発活動に精力的に取り組まれました。前半の講義では、「家族は無⼒感や罪責感を抱きやすい」「情報の非対称性がある」「自分にとって易しい情報を信じてしまいやすい」「事前に話し合うことが大事だが、気持ちは日々揺れ動く」「変えていい」「一人で背負わず、医療者とともに考えていく」との言葉があり、セラピストとしてだけではなくひとりの生活をしている人間として大変参考になるお言葉ばかりでした。

後半は受講者からの質問に答える時間に当てていただきました。「当事者家族は孤立しやすく、自分に声を掛けてくれることに救われた」と話されており、患者家族のケアの大切さを再認識しました。また「理学療法士や作業療法士のような専門職があることを知らなかった。専門職の方は自分の専門性に誇りを持って、もっと表に出てきてほしい」とのお話もあり、職種を啓発することが、わずかでも誰かの助けになるかもしれないという可能性を感じました。「当事者は社会制度を変える力がある」という言葉が印象的という声もありました。

たくさんのお話をして頂き、アンケートの〈最も勉強になったこと〉の欄では各々の想いが記載されていました。大変感慨深く、有意義な時間となりました。お忙しい中ご準備頂いた轟先生、そしてご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

来年度以降も、ナイトセミナーを企画運営してまいりますのでぜひご参加ください。

 

地域包括ケア推進部