満員御礼!誰もが抱えるお悩み解決!『もう困らない!浮腫への対応』研修会報告

 平成30年12月16日(日)、文京学院大学にて『もう困らない!浮腫への対応』研修会が、開催されました。今回は「過去の研修会アンケートなどで多かった浮腫への対応について、具体的に学びます」というお知らせをし、講師は東京慈恵会医科大学付属病院の作業療法士 吉澤いづみ先生をお招きしました。本研修会は定員40名のところ、申し込み開始後すぐに定員に達しキャンセル待ちが出るほどの前評判から良いものでした。

 午前中は講義が中心で配布された『もう怖くない!浮腫への対応』資料はスライド106枚からなり、参加者だけが奇跡的に手にすることが出来ました。内容としては、浮腫の病態の理解と対応法についてで、1)浮腫の診断と臨床症状2)複合的治療の概要3)多層包帯法の実技演習がありました。講義はとても分かり易く、途中で質問タイムを入れるなど参加者の理解度に合わせて進行して頂きました。また、画像や動画がとても多く、臨床のイメージがし易い構成となっていました。


午後からは、グループに分かれての実技練習でした。足部から下腿にかけては『多層包帯法』、手部には『指包帯』をそれぞれ2人1組のペアになり練習をしました。リンパ浮腫の治療法に関しては、ドイツやオーストリアが先進国であることも学びました。吉澤先生はドイツでフェルディ式のMLD(Manual Lymph Drainage :徒手的リンパドレナージ)を学ばれた作業療法士ではリンパ浮腫ケアの第一人者です。デモンストレーション時は復習用に参加者の皆さまは貴重な動画を撮られていました。現在では日本でもVodder式のMLD研修会など開催されており、日本作業療法士協会共催の浮腫研修会も行われているとのことです。


私たちの実技ペアでは、吉澤先生に完成した下腿の多層包帯法の仕上がりを確認してもらいました。「上手だけど、臨床ではまだまだ使えない!」と助言を頂き、改めて繰り返し練習する事の大切さを感じました。参加者の皆さまも、吉澤先生や補助講師の先生方の助言を受け、真剣な表情で実技練習をされていました。この参加者の中からいつか、ドイツオーストリアで学ぶ方がいらっしゃるかもしれませんね。


 最後に、今後も訪問リハビリテーション振興委員会は県士会の皆様の声を大切にし今回のような魅力的な研修会を企画・運営して参ります。それでは県士会の皆さま、声を掛け合い電子定期便への配信登録を済ませたら、次回の研修会で会いましょう!例えば2月3日『OTコラボ研修会』等。

 

<アンケート結果を一部ご紹介>

・多層包帯法という方法を知ることができ、とても勉強になりました(12年目)

・今まで何となく巻いていたバンテージの巻き方や、基礎が分かり有意義だった(8年目)

・浮腫の原因や見分け方、禁忌などを学ぶことができた(9年目)

・バンテージの巻き方自体を知らなかったので、とても勉強になりました(9年目)

・急性期の内科病棟に配置された時に使える場面は増えそう(2年目)

・チューブ包帯はじめ特養でのことも助言頂けて、とても有意義でした(17年目)

・リンパ浮腫での問診の重要性は高いということを学びました(12年目)

・外傷性浮腫とリンパ浮腫の比較が分かりやすかった(12年目)

 

(訪問リハビリテーション振興委員会 高橋暢介・飛田和宏)