『小児を専門としていない作業療法士のための研修会』開催報告

平成29年11月18日(土)・19日(日)、「小児を専門としていない研修会」が開催されました。正会員33名、学生会員9名の総勢42名の参加がありました。
今回のコンセプトは「この子がどんな子なのか?話し合う!!」ということを目的に「理解しようとすることこそ、支援の第一歩!!」と研修会を運営していきました。

20171118 (配布用)小児を専門としていない研修について

とはいえ、参加される方たちは普段、小児ではない病院、訪問で働いている方がほとんどでしたので、まずは日本医療科学大学の嘉成望先生を講師に迎え、小児領域作業療法の基礎知識を学びました。養成校時代の講義で聴いた話かもしれませんが、改めて聴くと、知識不足を実感した方や「もう1度また自分で勉強したい」と思われる方が多かったようです。

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その後、埼玉県立小児医療センターの岡田洋一先生が担当しているお子さんをとことん話し合いました。30秒程度のVTRで何時間話したのかわかりませんが、最後のプログラム「困りごと交換会」がわずか5分しかできないほど盛り上がりました。実際に映像を見てグループワークができたため、とても勉強になったようです。数秒のVTRだけでたくさんの意見交換、様々な観察・考察ができることを参加者間で共有することができました。今後、お子さんを評価・介入するときのアイディアとなったようです。

OTとして「なぜ?」を考えることで、子どもの行動やOTの介入のリーズニング(Reasoning:根拠を探る)すること大切さを改めて実感しました。もはや、取調室のように「なぜ、やったんだ?」「お前がやったのか?」と自分自身に尋問(質問)していくことが臨床での評価・介入の根幹になることを学びました。

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2日目は再び日本医療科学大学の嘉成望先生に「その子の思いを読み取るためにどのような【みる視点】が必要か?」という、より実践的な内容をご講義いただきました。

埼玉医科大学総合医療センターの平田樹伸先生の担当しているお子さんを評価から介入まで考えました。こちらも数秒の映像から、「どんな子?」を導き出し「子どものNeeds」「保護者のNeeds」「OTとしてのNeeds」をとことん考えました。最後は全体42人でディスカッションを行い、小児を専門としているOTが「OTとしてのNeeds」を考え、「子どものNeeds」「保護者のNeeds」にどうつなげていくか?を話し合いました。

「今のはどういうことですか?」という質問に専門としているOTが驚き、「私もそう思う!」という共感に専門としているOTがほっこりし、「私はこう思う!」という意見にディスカッションが深まっていきました。

最後はライフステージを考え、小児年齢だけ考えていても、その子にアプローチしきれていないことを実感し、“「小児を専門としている」とか「小児を専門としていない」ということではなく、「作業療法を専門としているOT」にならなくては!!”と熱い思いを胸に研修会は終了となりました。

やっぱりディスカッションでみんなと話すことはとても学びが多いと、大勢で行う症例検討の場の必要性を強く感じた2日間でした。

子ども支援委員会 委員長 田坂翔太

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編集  石井 晶(あさひ病院)

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